大動脈解離の手術適応は?

StanfordA型の大動脈解離は前例手術と思われがちですが、偽腔閉鎖型は内科治療(保存的加療)も考慮されます。

欧米とアジア諸国で意見は異なっています。偽腔閉鎖型に関して、欧米では、2010年の胸部大動脈疾患診療ガイドライン(AHA/ACCF ガイドライン)では偽腔閉塞型には手術がクラスIIaで推奨されています。アジア諸国では内科治療の予後が悪くなかった報告が複数行われています。

いずれの地域でも、偽腔閉鎖型で合併症がある例(心筋梗塞、大動脈弁閉鎖不全、心タンポナーデ合併)やMalperfusion(臓器還流不全)がある例では緊急手術が推奨されています。

 

Stanford A型大動脈解離の手術適応
・偽腔開存型、ULP型→緊急手術
・偽腔閉鎖型でも次の条件を1つでも満たした場合→緊急手術
条件
 心筋梗塞
 大動脈弁閉鎖不全症
 心タンポナーデ
 Malperfusion
 ※施設によっては偽腔閉鎖型も手術(緊急または準緊急)
参考:2020年改訂版 大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン
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